質問:
CO2の排出規制に関して、GHG、EEXI、EEDI、CII など色々な用語が飛び交っていますが、技術職ではない私は、何が何だかサッパリわかりません。素人の私でも理解できるように整理して教えて頂けますか?
ご回答:
まず、最初の始まりは、GHG(Green House Gas)つまり、地球を温暖化させるガスである、二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化二窒素(N₂O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF₆)、三ふっ化窒素(NF₃)の排出量を削減しましょうと決まりました。
そして、海運界では「輸送効率規制」つまり、単位輸送ごとのCO2の排出量を測って、排出量を規制しましょう、と言う事になりました。そして、それは、2008年と比べて、2030年までに40%削減、2050年までに70%削減という数値目標になっています。
CO2の排出量削減の方法には、技術的なアプローチと運航的なアプローチがあります。つまり、科学技術を駆使してCO2を削減するのが、技術的なアプローチで、船の運航を賢く行ってCO2を削減するのが、運航的なアプローチと呼ばれています。
<技術的なアプローチ>
技術的なアプローチは、科学技術によってCO2を削減するものなので、端的に言うと、船にCO2の排出量が少ない最新の機器を搭載することで、CO2の排出量を削減すると言い換えることもできます。科学技術は日進月歩なので、新造船の場合は、CO2の排出量が少ない最新の機器を搭載することができますが、すでに運航されている船(就航船)の場合は、それが出来ないため、新造船と就航船では、異なった指標(ルール)が設定されました。新造船の指標が、EEDI (Energy Efficiency Design Index)、就航船の場合が、EEXI (Energy Efficiency Existing Ship Index) と呼ばれるものです。
<運航的なアプローチ>
運航的なアプローチは、賢く運航してCO2を削減するものなので、どのように運航してCO2を削減するのかという計画が必要です。それが SEEMP(Ship Energy Efficiency Management Plan)です。また、SEEMPがそのように遂行されたのか、つまり燃料消費量等の運航データを収集し、それを報告する義務があります。
SEEMPに関して、更に詳しく勉強したい方は、下記のNKのサイトをご覧ください。
https://www.classnk.or.jp/hp/ja/activities/statutory/seemp/index.html
そして、2023年1月1日より、SEEMPによってCO2の排出量がどのくらい削減されたかによって、船が格付けされる制度が始まります。それが、CII(Carbon Intensity Indicator)です。CIIは2023年1月1日よりデータ収集開始。2024年より認証開始です。2023年度中に1年間のデータを取り、2024年の3月末までに報告、認証を受けます。
CIIに関して、更に勉強したい方は、下記のNKの動画をご覧ください。
https://www.google.com/search?q=CII&oq=CII&aqs=chrome..69i57j0i4i433i512j0i4i131i433i512j0i3i4j0i4i433i512j0i4i131i433i512j0i4i512j0i4i433i512j0i4i512j0i131i433i512.2886j0j15&sourceid=chrome&ie=UTF-8#fpstate=ive&vld=cid:f15d282c,vid:gmXquVTZ3Yo
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