こんにちは。 土山です。
本日は、アメリカ合衆国入港時に関係する、OPA90という条約について述べたいと思います。

OPA90とは、Oil Pollution Act 1990の略で、1990年に出来た油流出事故に対応するためのアメリカ合衆国の国内ルールです。このルールに従わない船は、アメリカ合衆国への入港が禁止されています。通常、油流出に関するルールでいうとMARPOL条約です。漁船やモーターボートを含む、全ての船が環境保護のために厳しく取り締まられています。しかし、アメリカ合衆国は、MARPOLを遵守することは、勿論、追加でOPA90を遵守することを課しています。

<a href="https://jp.freepik.com/free-vector/ocean-pollution-with-oil-stains-on-water-surface-with-sea-animals-on-beach-flat-illustration_16607880.htm">著作者:macrovector</a>/出典:Freepik

OPA90は、主に事故が発生した時、賠償金を支払う能力を有していることを証明する証書(COFR)、油処理のための計画書(NTVRP)、船の汚水を管理していることを証明する証書(VGP)を所持し、油処理業者(OSRO)、サルベージ会社(SMFF)、事故処理担当者(QI)と契約を締結することを義務付けています。COFRは加入している保険会社が手配し、NTVRP、VGP、OSRO、SMFF、QIは、契約しているOPA90関係専門の仲介業者が手配することになります。


MARPOL条約があるにも関わらず、更に、これだけのものが必要となる理由は、1989年にアラスカ州でエクソンモービルが運航するエクソンバルディス号が座礁して、原油が1100万ガロンが流出し、大規模な海洋汚染を起こしたことが原因です。この事故は、現在、海上で発生した人為的環境破壊のうち、最大級のものと言われています。

この様な事故を二度と起こさないようにするために、OPA90というアメリカ独自のルールが策定されました。
船会社は、契約や船の装備、証書など注意しなければならないことが増えましたが、私個人としては、あれだけの事故があったのだから、これだけ縛りがあっても仕方がないなと思います。