本日のテーマは、船積関係書類とその流れです。最近では、あらゆる部分で電子化が進み、窓口業務が減っていますが、これから、ご説明する古式ゆかしい書類の流れを押さえておけば、何かイレギュラーなことが起きても対処できるはずです。

船積関係書類とは船積に際して、荷主、海貨業者、海運会社、船、検数業者の間で取り交わされる書類のことです。

最初は、Booking Listです。荷主が、海運会社に船積予約をすることをBookingと言います。荷主が、Booking を行う時は、荷主の詳細、海貨業者の詳細、積み地、揚げ地、貨物詳細、船積希望日、運賃などの情報が必要です。

一般的に海運会社は、Bookingを受け付けるとBooking番号を荷主に付与します。

後日、海運会社は、各Bookingは一覧にまとめ、積み地の船舶代理店に送ります。これがBooking Listです。その後、船舶代理店は、Booking Listと照らし合わせて、海貨業者が差し入れてくる Shipping Applicationを受け付けます。

一方で、荷主は、海貨業者に Booking をした海運会社の船に貨物を船積するように手配を行います。船積手配の依頼を受けた、海貨業者は、指定された海運会社の Shipping Application を入手して、船積関係書類を作成します。

Shipping Application は、Shipping Instruction、Shipping Order、BL Master、Mate's Receipt から構成されています。すべての書類は、複写式の書類になっているので、これらの書類は同時に作成されます。そして、BLは、BLマスターを複写機にセットされ印刷されます。つまり、BLの記載事項は、シッピングアプリケーションと同じ内容になります。

余談ですが、荷主が銀行信用状Letter of Creditを利用して輸出を行う場合は、BLに記載される内容は、銀行信用状に指定された内容と同じになります。

海貨業者は、Mate's Receipt、BL Master、Shipping Order を船舶代理店に差し入れます。船舶代理店は、Mate's ReceiptとShipping Order にSOナンバーを付与し、海貨業者に返却されますが、BL Master は、船舶代理店で保管されます。

海貨業者は、指定日に Mate's Receipt と Shipping Order を持って、貨物を船側に搬入し、Mate's Receipt、Shipping Order を船の一等航海士に手渡します。Mate's Receiptは、一等航海士と検数業者によってサインがなされたのち、海貨業者に返却されます。もし、船側に搬入された貨物に損傷などの異常が発見された場合には、Mate’s Receipt にその状況が注記(Remark)されます。

船舶代理店は、BL Master を複写機(コピー機)にセットして、BLとBL Copy を作成します。BLとBL Copyに印刷されたSO ナンバーは、これ以降、BLナンバーと呼ばれます。

船舶代理店は、BLをもとに Manifest を作成します。その後、BL、BL Copy、Maninest を海運会社に、BL Copy、Manifest を船に渡します。

船から海貨業者に返却された Mate's Receipt は、荷主に渡され、荷主はその Mate's Receipt と引き換えに海運会社からBLの発行を受けます。

荷役完了後、検数業者によってException List、 Tally Sheet、Hatch List、Stowage plan、Working Report が作成されます。これらの書類は、船に渡され、船舶代理店経由で海運会社にも送られ、大切に保存されます。

Exception List とは、海貨業者によって搬入されてきた貨物に損傷などの異常があった場合、或いは、積荷役中に貨物に損傷などの異常が発生した場合に、その内容を記載するリストです。

Tally Sheet とは、BLごとに船積された貨物の個数、或いはBLごとに荷揚げされた貨物の個数が記載されたシートです。 

Hatch Listとは、各ハッチごとに船積されている貨物の個数やトン数が記載されたリストです。

Stowage planとは、船体のどの場所にどんな貨物が船積されているかが、記載された図面です。

Working Reportとは、船積された貨物の個数、荷下ろしされた個数、過不足などが報告された書類です。

ここからは、揚げ地にて行われる書類の手続きになります。

受荷主は、船が到着する前に海運会社の揚げ地の船舶代理店にBLを差し入れ、Delivery Orderを受け取ります。そして、船が到着したら、Delivery Orderを持参し、ターミナルや指定倉庫などに赴き、Delivery Orderと引換に貨物を受け取ります。

時間は前後しますが、船が荷下ろしが完了すると検数業者が、Boat Note、Exception ListやTally Sheet を作成します。検数業者は荷下ろしされた貨物の個数や状態を確認し、異常が認められれば Boat Note に注記 (Remark)を記載します。そして、一等航海士、検数業者、ターミナル業者の間で、これらの書類にサインが取り交わされたのち、船舶代理店に送られます。