お久しぶりです。

 

カッターブログも終わり、久しぶりの投稿をしていきます。

 

以前、教えて遼茉さん!で、お話していた通り船舶、海上、船舶に乗り組む船員には様々な国際条約・法律があります。

その中でも今回は船員の資格等にフォーカスしたSTCW条約についてお話いたします。STCW条約は正式名(The International Convention on Standard of Training, Certificate and Watchkeeping for Seafarers 1978)日本語で「1978年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約」と言い、とても長いので通称STCW条約と呼ばれます。

 

船舶を運航する船長、機関長等それぞれの役職はその役職に対応した資格を保有することが国際条約で求められており、こうした船員の資格に関する国際条約はSTCW条約に規定されています。

ですが、船員の資格及び教育に関する分野は、国により制度が異なることもあるため、国際基準を設定するのが難題でした。

そんな中1967年に、英仏海峡で起きた大型タンカー「トリーキャニオン号」の座礁を契機とし、船員の質の向上を図ることを目的として、船員の訓練及び資格証明に関する国際基準として、IMO(国際海事機関:International Maritime Organization)で採択され、1984年に発効されました。

 

この事故の原因はヒューマンエラーに起因しているとされており大規模な油流出事故となったことから海運の国際ルールを大きく変えることとなりました。

このような事故を防止するためには、まずヒューマンエラーを減らし船員の質を向上させなければならないという世論が広まりSTCW条約が発効されました。

また、この事故は大量の油が流出し周辺国に甚大な被害が出たことから海洋汚染に関するMARPOL条約( 1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書:International Convention for the Prevention of Pollution from Ships,1973,as modified by the Protocol of 1978 relating thereto)が発効されました。

 

上記で取り上げた事故だけでなく海難事故の原因の大半はヒューマンエラーであり、対策が非常に難しいです。この取り上げているヒューマンエラーとは人間が原因となって起こる誤りや間違いの事です。これを100%無くすというのは難しいですが船員が定期的に訓練を行い適切な資格を維持することで船員の意識改革に繋がりヒューマンエラーを減らすことができます。これは結果的に事故を未然に防ぐ事につながると私は考えます。

 

そのため私は船員部として更にSTCW条約について習熟し船員に教えていけるよう勉強していきます。

 

日々勉強!!

 

 

村上 琢磨