お久しぶりです。
こんにちは。
今のところ月一投稿が出来ているECLSMの佐藤です。
このままの勢いで頑張っていきたいと思っていますが、難しいと思うのでその時は力尽きたと思ってください笑。
では、前回の続きからお話していきますね。
ここまで話を聞いたら、何故船内にエンジニアが必要なのか??「自動車や航空機のように修理工場で全ての整備作業を行えばいいのではないか」と感じる人も沢山いるかもしれません。しかし、船舶の場合それではダメな理由があります。こう言うと少し語弊があるかもしれませんが、船は基本的に壊れながら走っているからです。自動車や飛行機と違い、船舶で使用される機械は非常に過酷な状況下で使用されています。潮風や海水が機械に悪影響を与えるというのは周知の事実ですし、船の機器によっては24時間365日ずっと動き続けています。航海によって一か月近く走ったりします。一か月の間、一度もエンジンを切らずに走り続けている自動車や航空機は存在しないと思います。皆様も肌感覚でお分かりになっていると思いますが、船舶の機器が他と比較して脆いという事では無く、寧ろ孤立した空間でより頑丈に製作されております。ただ、こういった状況で様々な機械が酷使され、船内の機械は少しずつ壊れていきます。そのため、次の修理工場まで何もメンテナンスをしないで航行することは不可能なのです。
次に簡単にですが、機関士の仕事内容ざっくりと説明していこうと思います。
“機関士の階級”
機関長(C/E:Chief Engineer) : 機関部の最高責任者
一等機関士(1/E:1st Engineer) : 機関部の主任者 (主機等の需要機器及び機関部のマネジメントを行います。)
二等機関士(2/E:2nd Engineer) : 2/Eは主機以外の重要補機を担当して整備を行います。
三等機関士(3/E:3rd Engineer) : 3/Eは機関部の雑務と一等機関士及び二等機関士の担当機器以外を全て担当して整備を行います。
具体的な担当機器は会社や乗る船種によって少しずつ異なるので一概に決めることはできませんが、職位によって担当する機器が違い、職位が上がるにしたがって重要な機器を任されることになります。ただ、以前もご説明した通り、船は完全孤立で自給自足の生活をしておりますので、多少の重要度の違いはあれど全て大切な機器ですので各担当者が責任をもって管理して整備を行っています。
以上がざっくりとした外航船における機関士の仕事内容についての説明でした。
少しでも皆様の興味が引けることができれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
佐藤
櫻井義朗 2024-08-07 10:04:32
船が壊れながら走っている、という表現から、航海士の方から以前聞いた「船首から船尾の順にChipping and paintng(=船体錆対応)を行うものの、船尾のChippingを終えるころには船首の錆びがはじまっている」という話を思い出しました。船体に加え、エンジンが劣化する様子が目に浮かびました。ありがとうございました。
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