本日のテーマは、配船調整です。配船調整とは、集荷された貨物を各船に割り振り、各船のスケジュールをきめることです。基本的にブレイクバルク輸送は、毎月日時が決まっているコンテナ輸送とは違い、集荷された貨物によって輸送の実施が決まります。つまり、今月ある仕向け地への輸送が実施されたとしても、来月もその仕向け地へ同じ日時で輸送が実施されるとは限りません。簡単に言うと、その時点で貨物が沢山あり、より多くの利益が見込まれる仕向け地を選んで輸送が実施されます。

 

 

 

配船調整の第一段階は、貨物がRORO荷役に適しているか、LOLO荷役に適しているかを見極めることです。RORO荷役に適している貨物は、自動車船などのRORO船に積むべき貨物として振り分け、LOLO荷役に適している貨物は、在来船に積むべき貨物として振り分けられます。

 

 

第二段階は、貨物の特性、つまり、長さ、高さ、重さなどを見て、どの船に適合するかを見極めることです。

 

第三段階は、積み地、揚げ地ごとに貨物をまとめ、夫々の船の積載能力を考えながら、できるだけ夫々の船の寄港数が少なくなるように調整します。

 

第四段階は、微調整です。RORO荷役に適した貨物で自動車船等のRORO船に積むべき貨物であっても、貨物量が少なく採算が取れない場合や船積日と⋆Cargo Readyが一致しない等の場合は、その貨物をLOLOに荷役となる在来船に振り分けるというような微調整を行います。このようなプロセスを経て船のスケジュールが決まります。(⋆Cargo Ready:貨物の通関が終了し船積可能な状態を言う)

 

配船調整の結果、複数の仕向け地を組み合わせても、積み地の貨物量がまとまらず(少ない)採算の見込みがない場合は、輸送延期になります。これを抜港(抜港)と言います。

 

本日のまとめをしましょう。

 

配船調整は、集荷された貨物を夫々の船に振り分ける作業です。ポイントは、貨物の形状・特性と船型、積み地、揚げ地、船積日を合わせることです。さらに、船の寄港回数を減らし、港湾コストや燃料コストの軽減を図ります。

 

配船調整を行う際、追い積みの可能性を考慮するような調整が理想的な配船調整です。配船調整次第で、運航船隊全体の航海損益が大きく変わるので、4つの業務の中で最も重要です。