航海収支の計算

 

船のスケジュールを考える(企画する)時、どのくらいの利益が出るのか、或いは、どのくらいの赤字となるのかを知ることは大切なことです。また、航海終了後、その収支結果を確認するのは当然のことです。航海収支の計算は、主に次のような場面で行わなければなりません。

 

● 航海を企画する時

● 当初企画した航海を変更(配船調整)を行なう時

● 追加寄港の検討をする時

● 航海が終了した時

 

 

それでは、実際に航海収支を計算してみましょう。計算自体は簡単です。単に総運賃から各種費用を差し引くだけです。

 

 

 

総運賃から、まず、港湾経費を差し引きます。港湾経費には、岸壁使用料、パイロット、タグボート、代理店料などがあります。次に荷役費を差し引きます。荷役費には検量や検数料が含まれます。荷役費用は、RORO荷役とLOLO荷役では基本料金が違いますし、休日、半夜(はんや)や夜間に荷役などを行えば割増料金が発生し、長尺、重量物、バルキー貨物を取扱った場合も割増料金が発生しますので注意しましょう。

 

更に燃料費を差し引きます。燃料は補給する港ごとに価格が違うので注意が必要です。そして推進力を得るために消費する Fuel Oil 、発電で電気を得るために消費する Diesel Oil があるので、別々に費用を計算する必要があります。

 

 

最後に用船料を差し引きます。One way time charter でなければ、全用船期間の用船料を計算に含める必要があります。

 

本日のまとめ

 航海収支を計算する場面は、航海を企画する時、配船調整をする時、追加寄港を検討する時、航海が終了した時です。企画した航海で、どのくらいの利益が見込めるのか知らなければ企画立案ができませんし、また、配船調整や追加寄港を検討する時も、収支の確認が必要です。

 

航海収支は、運賃から港湾経費、荷役費、燃料費、用船料を差し引くことで求められます。