こんにちは。新米監督の土山です。

 

今回は、バラスト水についてお話ししたいと思います。

 

バラスト水とは何かと言いますと、まず、積み荷を陸上に降ろすと、船は軽くなって浮き上がります。軽くなって浮き上がると良いように聞こえますが、実際は、プロペラが海面から飛び出してしまって推進力が低下したり、風を受ける面積が大きくなって、強風時に操船が難しくなったりと、デメリットが発生します。もちろん、沈みすぎは、沈没の原因にもなるのでNGです。

 

 

丁度いい感じの沈み具合にするために、このバラスト水という名の海水を船のタンクに取りこみます。バラスト水を貯めておくバラストタンクは、船内のありとあらゆるところに配置されていて、船の沈み具合だけではなく、前後左右のバランスも調整することができます。

 

 

船とバラスト水は、切っても切れない縁なのですが、このバラスト水が、昨今問題になっていて、バラスト水の排出に関して厳しい規制がされています。その理由は、外来生物による環境破壊です。

 

 

海水だけ船のタンクに入れられれば良いのですが、必ず、海水と一緒に微生物や海藻、小型生物が入ってしまいます。実際に自分がドックの検査で、バラストタンクの中を点検した時には、見たこともないような卵や謎の生物で溢れていました。すごかったです・・・。本当にすごかったです・・・。

 

 

話を戻しますが、この様な生き物が含まれている海水を外国で排出してしまうと、その地域の生態系を壊してしまうことになります。日本で言うと、ワカメが、オーストラリアなどで大繁殖してとても迷惑をかけているようです。

 

 

この様なことを防ぐために、色々な規則を設けると共に、バラスト水に含まれる生物を排除するための紫外線装置や、薬剤の使用が義務付けられています。

 

海務部の仕事の一つとして、このバラスト水を管理するためのマニュアル作成等が含まれますので、環境を守る大切な仕事だと誇りを持って働きたいと思います。

    

以上、ありがとうございました。