抜港って知っていますか?
 
抜港「ばっこう」と読みます。船が元々のスケジュールを突然変更して、ある港をスキップして次の港に行ってしまうことです。
 
理由は様々ありますが、例えば、
理由① 台風や爆弾低気圧の影響で、その港の天候が悪くて寄港できない。
 
理由② ストライキ起きていて、その港にスムーズな接岸・荷役作業ができない、或いは、紛争が発生し、その港では船の安全を確保できない。
 
理由③ その港で積み込む荷物が少なく採算が合わない(これ、結構アリます。)などです。
 
既に、船積している貨物があっても、抜港してしまい、できるだけ近い代わりの港で降ろしても良いという船積契約もあります。海上輸送は、それくらい危険がともない、また、利益確保が難しい業務ということでしょうね。技術革新により航海の安全性は向上しましたが、航海中の船を取り巻く環境は、「パイレーツ オブ カリビアン」の頃とまったく変わっていません。
 
元来、ブレイクバルクサービスは不定期配船なので、とりあえず、スケジュールを出してみて貨物が集まれば運航を行うし、貨物が集まらなければ運航しないよ!というスタンスです。
 
なので、抜港じゃなくて、当初発表していたスケジュールをすべて中止する、「抜スケジュール」ってことも、かなり頻繁にあります。
 
最近では、紅海や黒海辺りで、戦争や紛争の発生により、危険回避のため抜港を余儀なくされていますね。
 
「スイマセン、思ったほど貨物が集まらず、採算が合わないから行くのをやめます!」と海運会社から連絡が来たら、大目に見てあげて下さい。