質問:

最近、「シップリサイクル条約」という言葉を聞く機会が増えましたが、シップリサイクル条約とは、何でしょうか?

 

ご回答:

シップリサイクル条約とは「2009年の船舶の安全かつ環境上適正あ再生利用のための香港国際条約」のことを指し、
船舶の解体における労働安全確保と環境保全を目的とし、2009年5月に採択されました。

 

この条約の発効要件は、

 

1. 15ヵ国以上が締結
2. 締結国の商船船腹量の合計が40%以上
3. 締結国の直近10年におけつ最大年間解体船腹量の合計が締結国の商船船腹量の3%以上

 

となっておりますが、要件の中身は考えず、「この発効要件を2023年6月26日に満たした」ことだけ記憶に留めて頂ければと思います。

 

発効要件を満たしたことにより、2025年6月26日に発効されることが決定しました。

 

発効後、500国際総トン以上の全ての船舶にインベントリ(船舶に存在する有害物質等の概算量と場所を記載した一覧表)の作成とその維持管理が義務付けられます。
また、今後、所管官庁により承認された船舶リサイクル施設でなければ船舶を解体・リサイクルすることが出来なくなります。

 

2025年6月26日以前に建造された船に対しては条約発効後5年の間に(または解体を行う時期までに)インベントリを作成すれば良いのですが
このインベントリを作成するのに通常であれば1ヵ月、もしくはそれ以上の日数がかかるため、期限に余裕をもって対応されることをおススメします。
また、Class/Flagによる承認取得の前に業者による訪船調査やサンプリングもありますので、ドック前から下準備をし、ドックで承認を受けるのがベターと思います。

 

 

弊社管理船でも対応を求められる船が多数ありますので、早め早めに対応したいと思います。

 

高佐